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渡辺大樹からのメッセージ
2001年12月、当時大学4年生でヨット部に在籍していた私、渡辺大樹は、最後に国際ヨットレースに出場する機会を得て、その開催地であるタイに行きました。
――これがそもそものきっかけでした。
学生という立場で参加していた私でしたが、ヨットというスポーツの性格上、周りは世界中から集まった大金持ちばかりで、レースが終わると毎日パーティーが開催され、滞在先の豪華ホテルからパーティー会場までこれまた超豪華2階建てバスで移動するという日々、これが1週間以上も続きました。
その何日目でしょうか。いつものようにレースを終え、バスでパーティー会場に向かっていたときのことでした。2階の窓際に座り何気なく外に目をやっていると、脇に広がる巨大なスラムが目に飛び込んできました。ふと見ると、そのスラムの入り口のところで、みすぼらしい格好をした5,6歳の男の子が立ってこちらを眺めていました。そしてふっと目が合ったのです。そのとき大きな大きな衝撃が私の中を突き抜けていったのです。―――
‘なぜ俺はこんな豪華なバスから彼を見下ろしているのだろう?’
‘なんであの子はあんなみすぼらしい格好で俺を見上げているのだろう?’
‘俺は人知れぬ努力に努力を重ね、この地位にまで登り詰めたと言うのか?’
‘あの子は怠け人生を放棄してあの状態まで落ちぶれていったとでも言うのか?’
――‘いや違う、俺はたまたま日本で普通の家庭に生まれ、あの子はタイのスラムで貧しい家に生まれた。たったそれだけ。たったそれだけでついてしまうこの差。自分は自分次第でなんにでもなれた。気が遠くなるような選択肢が目の前にあったのだ。’
‘でもあの子は・・・。タイのスラムで生まれた瞬間にほとんど選択肢が残されていない。頑張っても、いくら努力しても抜けられない、まるで蟻地獄・・・。
そしてそれから一年後、一年経ってもあのときの衝撃は消えるどころか日に日に大きくなり私を突き動かしつづけました。そして
「自分という一人の人間が存在したことで一人でも二人でもいい。子供たちが可能性を感じ自由に未来を夢見られることができたら。」
そういう思いをもってやってきたのがバングラデシュでした。
幸運にも、バングラデシュ人の中でも同じように何かしなければという強い信念と行動力を持った仲間たちと巡り合い、彼らと経験の共有と議論を重ね、この思いを形に変えていく決意をしたのです。
イーココロ ピースインタビュー
「バングラデシュの子どもたちにチャンスを与えたい」
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