1

> 活動紹介 < 

> ホーム
  > エクマットラについて
  > 活動紹介
> これまでの歩み
> メッセージ
> ギャラリー
> グッズ販売
> 会報
  > 日記
  > お問い合わせ
   
◇実際の活動
 ~ストリートチルドレン支援活動~
   >> 1、路上から
   >> 2、青空教室
   >> 3、シェルターホーム「アノンド」(アノンドとは‘喜び')
   >> 4、自立支援センター(設立計画中)

  ~啓発活動~

◇ 今後の課題

◇実際の活動

~ストリートチルドレン支援活動~

1、路上から

  喧騒と砂埃の大都会・ダッカ。この都市の道をあるくとまず間違いなく見かけるのがこども達です。それも一日の大半を路上で過ごすストリートチルドレンと呼ばれている子こども達なのです。「路上で生活するかわいそうなこども達」そのようなイメージで捉えられる彼ら。一見、同じように見える彼らも、農村で生活できなくなってひとりでダッカにやってきた子もいれば、路上生活の親から生まれ、路上で寝起きし路上で生活する子、またスラムなどに親とともに住み一日の大部分を路上で過ごすこども達など、置かれている状況はさまざまであるのです。
  路上で、スラムで、公園で、いろいろな人と話し、調査していく中で分かったのは衝撃的なことでした。それは「何らかの形で親と生活している子どものほうが、NGOや政府の政策の恩恵を受けにくい」ということだったのです。バングラデシュでは大小さまざまなNGO(海外のNGOもありますが多くは地元NGO)が活動しており、ストリートチルドレンの問題にも多くのNGOが取り組んでいます。本来なら、路上に住むこども達がみなその恩恵を受けられるはずなのですが、実際はそうではありません。親が拒否するからなのです。親にとってこどもは、もちろん愛情の対象ではありますが、何より収入源であるのです。ごみくず拾い、物売り、物乞いなどをして稼ぐお金は一家の大切な収入となります。そうした親にとって、こどもがNGOのスクールに行ったりセンターに滞在することはロスでしかありません。そのため、NGOを目の敵にしこどもにとっては機会であるはずの青空教室から遠ざけようとするのです。 
  多くのNGOが活動しているのにその恩恵を受けられていないこども達がいるということを知った私たちは、親が理由で機会を得られていないこども達に焦点を絞り支援していくことに決めました。お分かりになるとおり、この活動を行う上で親の理解が絶対条件であり、路上生活の親の中でも母親が路上娼婦や麻薬中毒であるなどすると、被害者意識や自己防衛本能からかこどもを教育から遠ざけ収入源と考える傾向が強かったため、まず路上娼婦に話をしていきました。
  はじめはもちろん何も話してくれませんでしたし、薄暗い中大勢にとり囲まれ脅されたりと恐怖を感じることもありましたが、めげずに毎日毎日話をしに通い通した。少しずつ心を開いてくれた彼女たちは自分たちのこと、こども達のことを話し始め、最終的に青空教室の開催に賛同してくれたのです。

2、青空教室

  青空教室といって真っ先に思い浮かんだのが、識字学級でした。近所の公園にブルーシートを敷いてはじめた青空教室。親が賛同してくれ堂々と参加できるようになったこども達でしたが、読み書き、計算などを教えてみると、こども達の興味・関心がまったく感じられないことに気づきました。こちらは良かれと思って教えていますが、それはこちら側の自己満足でしかなくて、一日中好き勝手自由気ままに生きている彼らにとって、面白くもない勉強のためにじっと座っているのは苦痛以外の何者でもないことに気づかされたのです。まずこども達に関心を持ってもらい、不信感を取り払っていかなければ何も変えられない。そして、歌・劇・踊り・絵・折り紙など情操教育といわれているものを教え始めたのです。
  自由に参加できる青空教室は自由に出て行くこともできます。多くのこども達が入ったりでたりしていき、最終的に15人のこども達が毎回毎回参加するようになっていきました。
  そうして過ぎた6ヶ月。何かもらえるわけでもないのに、一生懸命歌を覚え、詩を朗読し、踊りを踊れるようになったこども達がいました。多くのこども達が脱落して行った中で小さなチャンスを生かしてきたこども達でした。
「このこども達により大きなチャンスを与えたい。」
  そう考え、大使館が主催するスピーチコンテストで20分の時間をもらい、こども達に覚えてきたものを発表する機会を与えました。
  5,600人の大観衆を目の前にして、怖気づいていましたが、何とか勇気を振り絞って、覚えた歌を歌い、詩を朗読し、そして自分の自己紹介をしたこども達。発表を終えたとき、何と、会場にいる全員が立ち上がってスタンディングオベーションで迎えてくれたのです。目に涙を浮かべている人もいます。舞台の袖で見ていた私たちはいつまでも続く割れんばかりの喝采に身震いがとまりませんでしたが、それをもっと肌で感じたのがこども達自身だったのでしょう。喝采を受けながら、自信に満ちた表情に見る見る変わっていきました。
  社会から蔑まれて生活することに慣れていたこども達が、人間として生活するためのもっとも大切なものを取り戻した瞬間でした。
  次の日、青空教室に行くと「兄ちゃん、昨日すごかったねー!!」「俺もできるんだよ、だってあんなにみんなほめてくれたんだよ!!」「兄ちゃん、私にもっと歌を教えてよ。わたしもっともっとたくさん覚えたい!!」
  と叫びながら、駆け寄ってくるこども達がいました。 
  正直、今まで試行錯誤しながら青空教室を運営してきた私たちにとって、彼らの変わりようには本当に勇気付けられ自信を持ちました。そして私たちは、今まで目指しながら踏み切ることができなかった24時間支援センターの設立へ踏み切ることができたのです。

3、シェルターホーム「アノンド」(アノンドとは‘喜び’)

  青空教室を通じ意欲を持ち始めたこども達が、共同生活の中で社会生活の基本を学ぶとともに通常教育・技術教育を受け、社会復帰する準備を行う場として設立したのが、このセンターです。当初予想されたとおり、何人かの親はこどものセンター入所を拒否してきました。いろいろな理由を並べ立てますが、要はこどもがセンターに滞在すると収入源がなくなってしまうということです。何度何度も説得しましたが、結局入所できたのは15人中たったの6人でした。この6人が第一期生として今も元気に生活を送っています。その後第二期生、第三期生と順々に入所し、少しずつ大所帯になってきています。
  このセンターでは、宿泊・食事・勉強・簡単な技術教育・遊びなど全てを行う、文字通りこども達にとっての‘家’です。ここでこども達はのびのび生活しながら、自立に向けた準備を行っているのです。

4、自立支援センター(設立計画中)

  更生センターで集団生活に慣れ、そのルールを身につけたこども達が、実際に自立して生活して行くために必要な技術を身につけ社会復帰していくためのセンターです。現在、設立に向けた準備段階ですが、ここでは、お菓子作り、伝統的刺繍、縫製、ロウ細工、サービス、英会話、コンピューターなどの職業訓練を中心に行っていきます。また、センター内に酪農・養鶏・漁業プロジェクトを中心に農地を整備し、その収益でセンターを運営していける体制をつくります。そしてこども達がこのセンターで技術を身につけ、卒業するときには身につけた技術を生かした就職の機会まで提供できるよう、エクマットラとして収益事業を行っていく予定です。また、事業から生まれてくる収益は、新しく入ってくるこども達の技術訓練の経費に充てられます。
  こうして、ストリートチルドレンを立派な人材として、人材と資金のサイクルをバングラデシュ国内に構築することを、エクマットラはこの活動を通じて目指しているのです。

~啓発活動~

青空教室を通じて意欲を掻き立てられ、更生センターでの生活を通じて共同生活のルール、通常の教育を受け常識を学び、最後に本格的な技術訓練を受けて手に職をつけて社会に復帰して行く。   
これだけで、こども達にとって完成されたストーリーであるように思えますが、実はこれは私たちの活動の半分でしかありません。というのは、ストリートチルドレンの現状を変え、彼らを自立させて行こうとするならば、こども達だけを変えて行くのでは不十分で、実は回りの大人たち、社会一般の意識を変えて行かなければ何も変わらないからです。こども達が路上で生活しているのは、そしてそこで搾取されている原因はこども達自身によりも、そうさせている大人にあるからなのです。この大人たちの考え方意識を変えて行くことができなければ、結局こども達が変わっても搾取される状況は変わらないということになります。
  私たちは、社会一般の開発という問題に対する考え方を少しずつ変えていくための啓発活動を行っています。実際の活動として、ドキュメンタリー映画製作・上映や、小学校を回っての啓蒙活動キャンペーン、オープンディスカッションなどの開催に加え、大学内での勉強会や‘青空教室・調査ワークショップ’の開催を通じてのボランティア募集活動があります。また、会員や募金箱等を通じ資金サポートを募集する行為自体が大きな啓発活動であり、お金を出すことによって意識を持つようになった人が増えてきています。

◇ 今後の課題

ストリートチルドレンにとっての入り口である青空教室の拡大と、自立支援センターの設立が今後の大きな課題です。青空教室を増やしていく上では、新しく行う地域で親たちに対する根気強い啓発活動が必要ですし、自立支援センターの設立に当たっては、どれだけバングラデシュ人を巻き込んで設立資金とその後の運営資金をまかなっていけるかが大きな鍵になると考えています。
  それを実現できたときに初めて、自助努力のサイクル-―
  ・自立した元ストリートチルドレンから、ストリートチルドレンへのサイクル
  ・学生から学生へのサイクル
  ・収益事業を行うことにより、資金的なサイクル

――これらのバングラデシュ国内で持続可能なサイクル作りが始まるのです。

 

copyright © EKMATTRA' 2007